講師
【第1部】 特許業務法人原謙三国際特許事務所 東京本部・弁理士 藤田 けんじろう 氏
【第2部】 山本秀策特許事務所 特許・生物化学部門 リーダー 弁理士 駒谷 剛志 氏
【第3部】 ユニード国際特許事務所 顧問 中筋 公吉 氏
日時 平成22年4月23日(金)10:30~17:30
会場 [東京・五反田] ゆうぽうと 5F むらさき
聴講料 1名につき63,000円(消費税込み/昼食・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき52,500円〕
プログラム
【10:30~12:00】
【第1部】 国内におけるバイオ医薬特許の最新の審査基準と、今後取るべき対応
原謙三国際特許事務所 藤田 けんじろう 氏
【講座主旨】
本講座では、医薬発明に関連する「産業上利用することができる発明」及び「医薬発明」の最新の審査基準(2009年11月~)について、これまでの改定の経緯を含めて解説を行います。また、最新の審査基準に対して、今後、取るべき対応を、具体的な事例を適宜織り込みながら考察します。
【講演内容】
■医薬発明に関連する審査基準の改訂の経緯
1.これまでの主要な改訂の経緯
2.医薬発明に関連する最新の審査基準改訂の背景
■最新の審査基準における主要な改訂点の解説
1.「人体から各種の資料を収集する点に特徴のある発明」に関する改訂
2.「人体からの採取物の処理に特徴のある発明」に関する改訂
3.「特定の用法・用量で特定疾患に適用する点に特徴のある発明」に関する改訂
4.「細胞等の生体由来材料の用途に特徴のある発明」に関する改訂
5.「製造方法で特定された細胞の医薬用途に特徴のある発明」に関する改訂
■最新の審査基準に対し、今後取るべき対応
1.具体的な特許事例に基づく対応策の考察
2.国際比較に基づく対応策の考察
3.先端医療技術の進展と、審査基準
4.最新の審査基準に基づく知的財産戦略の考察
【質疑応答】
【12:40~14:10】
【第2部】 欧米における最新のバイオ医薬特許の判決例・審査基準と企業が取るべきこれからの対応
山本秀策特許事務所 駒谷 剛志 氏
【講座主旨】
米国でバイオ関連でも重要最高裁判決・CAFC判決が続いて出されており、欧州でも、このところ重要な審決・拡大審決が出されている。 欧州では改正欧州特許条約EPC2000の本格運用が始まり、日本でも医薬関連発明の審査基準が改正され、裁判所も動いていて、日米欧のバイオ発明実務は激動の時代を迎えつつある。バイオ関連発明は、2010年問題を克服する手段として期待されているが、これは、2010年に特許切れを迎える企業だけの問題ではなく、ベンチャー企業にも重要である。
また、バイオ関連発明は、日米欧が1990年代終わりから、精力的に三極レポートを発行し、実際の審査でも活用されている。本講義では、この三極レポートの活用方法も検討したい。
バイオ発明が課題としている実施可能要件、進歩性、優先権の他、用途・用法用量発明、データの開示時期・程度を検討し、強いバイオ発明を如何に取得し、長く維持するための最新特許戦略を考えたい。
また、欧州におけるスイスタイプ形式の実質廃止など、最新の判決・審決例も交えた、2010年からのバイオ特許戦略を提案する。
【講演内容】
1.バイオ発明の基本 金食い虫なのか、2010年問題の救世主か
1.1 バイオ発明の基本および問題点-バイオ発明は、コストばかりかかるのか。
1.2 審査基準
1.3 欧米の「バイオ発明」の取り扱い
2.欧州EPOのバイオ発明の実務~日本出願から考える
2.1 EPC2000-条約の改正(2007年12月改正)
2.2 EC/98/44指令 バイオ発明の特殊規則
2.3 審査基準
2.2.1 優先権主張の有効性と日本出願
2.2.2 バイオ発明の実施可能要件・記載要件
2.2.3 バイオ発明の発明性(クレームの記載、公序良俗、用途特許)
2.2.4 新規性・進歩性(Self-Collisionの回避)
2.2.5 選択発明
2.2.6 分割の制限
2.2.7 その他
2.4 審決例およびこれらを踏まえた出願戦略
(1)拡大審判審決 G 2/06(11/25/08審決)幹細胞の特許性
(2)拡大審判審決 G 1/07(2/15/2010審決)手術による治療法の特許性
(3)拡大審判審決 G 2/08(2/19/2010審決)用法用量の特許化・Swiss-typeの否定
2.5 各国法・実務との関連(公序良俗等の温度差)
3.米国USPTOのバイオ発明の実務~米国第一国出願も考える
3.1 判例から見る実務
3.1.1 近時の最高裁判決(KSR, Bilski事件)バイオ発明の進歩性・発明成立性
3.1.2 現在最高裁にて審理中の事件(Myriad事件)遺伝子発明の特許性
3.1.3 CAFC大法廷ケース(Ariad事件、審理中)バイオ発明の記載要件/実施可能要件
3.1.4 近時のCAFC判決例からみるバイオ発明
3.1.4.1 Abbott Labs v. Sandoz (Fed. Cir. 2009) (en banc)
07-1400 プロダクトバイプロセスクレームの限定解釈
3.1.4.2 Janssen Pharmaceutical N.V., et al. V. Teva Pharmaceuticals USA, Inc.
et al. (2008-1594) 実施可能要件と仮想実施例・データの記載、
後日のデータ提出の可否
3.1.4.3 In re Kubin (Fed. Cir., No. 2008-1184) 遺伝子発明の権利範囲の限定
3.2 MPEPおよびTraining Materialからみるバイオ発明実務 記載要件・有用性
4.三極(Trilateral)レポートを斬る
4.1 Biotechnology Patent Practice, Project 24.1 について
4.2 個別レポートについて(DNA断片、機能推定、リーチスルー、立体構造、SNP等)
4.3 実際の実務(審査、審判、裁判)における三極レポートの影響
4.4 三極レポートを踏まえたこれからの実務
5. バイオ発明特許-コストを収益に変える戦略
5.1 バイオ発明の長所・短所
5.2 日米欧審査におけるバイオ発明特許
5.3 権利行使を考慮したバイオ発明特許
5.4 バイオ発明特許の延命
【質疑応答】
【14:20~17:30】
【第3部】 バイオ医薬特許のライフサイクルマネジメント
-バイオシミラーからの観点
ユニード国際特許事務所 中筋 公吉 氏
【講座主旨】
バイオ医薬分野の特許に係わる特徴的観点をおさらいし、その中でも、バイオシミラーといわれる生体高分子的に似たものとの関係で、現在考えられる特許権の効力及び情報論の観点からLCMを志向する際の方向性を考えてみたい。おそらく、基本的な考えの積み重ね(総合的観点)と、志向対象の適格な把握が基礎となる、当たり前のこととなってしまうかも知れないが、LCMという企業にとって経営戦略に資する要因を再認識することも無駄ではないであろう。考え方に重きを置き講義を進めるので、個々の事例に適格に立ち向かえる分析力・判断力の一助として役立てていただけたら幸せである。
【講演内容】
1 バイオ医薬特許の特殊性
・生体高分子等に由来する、機能表現クレーム
・クレームの解釈論並びに均等という考え方
・ 機能表現クレームの解釈の例として、
TNF-Rタンパク質(エタネルセプトの期間延長)審決取消請求事件
・ 日本の均等論適用判決の例として、
メチオニン-tPA事件(大阪地裁・大阪高裁)
・日本の均等に近い考え方といわれている例として、
キリンーアムジェン v.ヘキスト・マリオン事件(英国貴族院判決)
2 バイオシミラーとは(バイオ後続品)
・例えば機能タンパク質が似ているとは?
・バイオシミラーの製造承認規則と特許訴訟との関係
・米国オムニトロープ・ケース、バイオシミラーはANDAの対象とならない?
3 バイオ医薬特許のLCM
・バイオ医薬特許にLCM戦略が考えられるか?
期間延長、機能表現クレーム特許の効力、
新規物質の開発モチベーション、バイオ分野の特許の認められ方
・権利行使力等
・バイオ医薬特許とバイオシミラー(構造と機能から読み解く情報の視点)
・まとめ的に、バイオ医薬特許のLCM戦略を考える
【質疑応答】
*各講師のご略歴*
【 藤田 けんじろう 氏 】
● ご略歴
大学院修了後、原謙三国際特許事務所へ入所。その後、約7年にわたり政府系研究機関にて専らバイオ・化学系の出願・中間処理等の実務を担当。2008年より現職(再入所)。
【 駒谷 剛志 氏 】
●現在のご業務・研究活動
外国クライアントの日本での出願、中間処理、審判、鑑定、調査、訴訟(侵害訴訟含む)
日本クライアントの国内・海外での出願、中間処理、審判、研究開発コンサルタント業務
知的財産の講演・講義・執筆・啓蒙活動
●ご略歴
1992年 東京大学薬学部卒・薬剤師国家試験合格(薬剤師登録済)
スイス・バーゼル F.ホフマン-ラ・ロシュ社本社研究所にて研究員を経て
1998年 東京大学薬学系大学院後期博士課程修了 (博士(薬学)取得)
1998年 山本秀策特許事務所入所
2000年 弁理士登録 2004年 侵害訴訟代理付記登録
【 中筋 公吉 氏 】
●現在のご業務
中筋バイオ知財研究所にて医薬関係特許業務に関わるコンサルティングや著述、ユニード国際特許事務所のアドバイザー等