Home
->  8月開催 電気系セミナー 

色素増感太陽電池における
耐久性/変換効率の向上技術

8月開催 電気系セミナー  更新日:2008年07月02日
 セミナー番号【808448】8/25講師5名
★インピーダンス法による電荷解析/電極の低温作製!
★フレキシブルな太陽電池の作製/短絡防止技術/電子ベクトルの制御技術!

色素増感太陽電池における
耐久性/変換効率の向上技術


~長寿命化/フレキシブル化/短絡防止技術/局所表面プラズモン利用/電子ベクトル制御技術~

講 師

Ⅰ.同志社大学 RCAST研究員 足立 基齊 氏

Ⅱ.東京工業大学 炭素循環エネルギー研究センター 准教授 伊原 学 氏

Ⅲ.岐阜大学 大学院 工学研究科 
        環境エネルギーシステム専攻 准教授 吉田 司 氏

Ⅳ.静岡大学 工学部 物質工学科 准教授 奥谷 昌之 氏

Ⅴ.慶應義塾大学 理工学部 化学科 助教 佐藤 宗英 氏

日 時 平成20年8月25日(月)10:30~18:15

会 場 [東京・大井町] きゅりあん 6F 中会議室
聴講料 1名につき 63,000円(消費税込、昼食・資料付)
 〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき52,500円〕

プログラム
≪10:30~11:45≫

Ⅰ.色素増感太陽電池における発電原理、
製造プロセス、インピーダンス解析による高効率化 

同志社大学 RCAST研究員 工学博士 足立 基齊 氏

【講師ご略歴】

1969年 京都大学大学院博士課程終了
1969年 京都大学工学研究所 助手 講師を経て
2002年 京都大学エネルギー理工学研究所 教授
2005-2007年 京都大学国際融合創造センター 研究員
2007年 同志社大学 工学部 RCAST研究員


■講座の主旨

 色素増感太陽電池は、シリコン太陽電池に変わり得る有力な候補である。最近、1cm2のセルの効率が、アモルファスシリコンの同面積の効率を上回ったことから、実用化の段階に入ったとの認識が広がっている。本講演では、色素増感太陽電池の発電原理から初めて、実用化に際して最重要課題と位置づけられる高効率化を目標とする研究について述べる。種々の検討が高効率化に向けてなされているが、試行錯誤的段階に留まっている。これは、高効率化を支配する因子の的確な把握が困難であるためであり、本演者はインピーダンス法を用いて、電池の作動時における電荷移動過程を支配する諸因子を決定する方法を最近発表した。この、インピーダンス法の解析も織り込みながら、高効率化を支配する諸因子について考察し、製造プロセスのどの部分をどのように改善すべきかを考察する。

■プログラム

1.色素増感太陽電池の発展の歴史

2.色素増感太陽電池の発電原理
 2-1.電気化学過程から見た発電の仕組み
 2-2.電池内の電子移動の機構
 2-3.照射条件と暗条件

3.色素増感太陽電池の製造プロセス
 3-1.透明導電膜
 3-2.塗布
 3-3.焼成
 3-4.色素吸着
 3-5.電解質
 3-6.封止

4.色素増感太陽電池の高効率化に向けて
 4-1.インピーダンス法による電荷移動過程の解析法
 4-2.高効率化の取り組み
 4-3.第三世代の太陽電池


【質疑応答】


≪12:30~13:45≫

Ⅱ.金属ナノ粒子の局在表面プラズモンを利用した
色素増感太陽電池の高効率化
東京工業大学 炭素循環エネルギー研究センター
                      准教授 工学博士 伊原 学 氏

【講師ご略歴】

1994年 東京大学 大学院 工学系研究科 化学工学専攻博士課程修了
1994-1997年 東京大学 助手 工学系研究科 
  化学工学専攻、化学システム工学専攻に改組
1997-2004年 東北大学 助手 反応化学研究所、多元物質科学研究所に改組
2002-2006年 科学技術振興機構 さきがけ研究員「変換と制御」兼任
2004年~ 東京工業大学 助教授 (現在、准教授)
炭素循環エネルギー研究センター(理工学研究科 化学専攻、物質科学専攻 併任)
東工大に2008年4月発足、太陽光発電システム研究センター 併任


■講座の主旨

 これまでに銀(Ag)ナノ粒子の表面プラズモンによる局所電場増強効果を使い、色素増感太陽電池の高効率化を目的として、Ru色素の吸収係数を最大で149倍に増加させることができたと報告している。さらに、色素増感太陽電池に用いられているチタニア多孔質内の数十ナノメートルの空間においてAgナノ粒子と色素を相互作用させ、光吸収係数を増加できること、および銀ナノ粒子を担持することによってDSCの変換効率が向上することを報告してきた。本講演では、金属ナノ粒子の局在表面プラズモンとナノ粒子周辺に生じる光および局所的電場増強について述べ、それを色素増感太陽電池へ応用したこれまでの結果について、総括しながら説明する。

■プログラム

1.色素増感太陽電池とシリコン太陽電池

2.金属ナノ粒子近傍の光、局所電場増強

3.局在表面プラズモンをどのように色素増感太陽電池に利用するのか?

4.表面プラズモンを利用した太陽電池に関する既往の研究

5.石英基板上での色素と金属ナノ粒子の相互作用

6.チタニア多孔質膜内での色素と金属ナノ粒子の相互作用

7.Co系電解液を使った色素増感太陽電池の金属ナノ粒子添加効果

8.ヨウ素系電解液を使った色素増感太陽電池の金属ナノ粒子添加効果

9.局在表面プラズモンを利用した色素増感太陽電池の展望

10.まとめ


【質疑応答】


≪14:00~15:15≫

Ⅲ.酸化亜鉛と有機色素を用いるプラスチック太陽電池の研究開発

岐阜大学 大学院工学研究科 環境エネルギーシステム専攻 准教授 学術博士 吉田 司 氏

【講師ご略歴】

2005-現在 岐阜大学大学院工学研究科 環境エネルギーシステム専攻助教授
1999-2005 岐阜大学大学院工学研究科 環境エネルギーシステム専攻助手
1995-1999 岐阜大学工学部応用精密化学科助手

【講師ご活躍】

2000年 電気化学会進歩賞・佐野賞受賞


■講座の趣旨

 再生可能エネルギーを主要な、すなわちありふれたエネルギーにしようとする人類の壮大な目標に対して、太陽光発電は着実に進歩しなくてはならない使命を負っている。安価で高性能な太陽電池として最も有望な色素増感太陽電池ではあるが、一足飛びにシリコンパネルに置き換えられるものではなく、現状の性能を踏まえ、一方ではその特色を活かした分野から実用化を進めることが大切であり、その認識は着実に広まりつつあると思う。上記の理念に基づき、我々は一般的なグレッツェル型とは異なる独自の材料と製法による色素増感太陽電池の研究開発を進めている。電気化学析出法と水熱法による高性能酸化亜鉛多孔質電極の低温作製と、これに適した有機増感色素の開発によって、高性能なプラスチック太陽電池が得られる。その技術解説と現状、さらに将来展望を報告する。

■プログラム

1.研究開発背景 ―気候変動とエネルギー問題、Cool Earth計画

2.色素増感太陽電池の足どり

3.酸化亜鉛多孔質光電極の低温製膜

4.変換効率と耐久性の向上

5.これから必要なもの

6.色素増感太陽電池の将来


【質疑応答】


≪15:30~16:45≫

Ⅳ.色素増感太陽電池用酸化チタン電極の作成技術と短絡防止効果

静岡大学 工学部 物質工学科 准教授 工学博士 奥谷 昌之 氏

【講師ご略歴】

1997年 東京大学大学院工学系研究科超伝導工学専攻博士課程修了
1997年 静岡大学工学部物質工学科助手
2001年 静岡大学工学部共通講座講師
2005年 静岡大学工学部物質工学科助教授
2007年 静岡大学工学部物質工学科准教授(職名変更)

【本テーマ関連学協会でのご活動など】

電気化学会
応用物理学会
日本セラミックス協会


■講座の趣旨

 色素増感太陽電池は大きく分けると作用極、電解液、対電極から構成されており、高効率化のためには各部を最適化していく必要がある。本講では作用極の酸化チタンや酸化スズ透明導電膜に焦点を絞り、それらの最適化とともに短絡防止技術について解説する。


■プログラム

1.はじめに

2.スプレー熱分解法
 2-1.原理・特徴
 2-2.実用例

3.SnO2透明導電膜
 3-1.製膜
 3-2.表面形態制御
 3-3.電気・光学特性

4.色素増感太陽電池
 4-1.表面形態と電池特性
 4-2.短絡防止
 4-3.入射光の有効利用

5.まとめ


【質疑応答】


≪17:00~18:15≫

Ⅴ.DSC高変換効率化を可能にする電子ベクトル制御技術


慶應義塾大学 理工学部 化学科 助教 理学博士 佐藤 宗英 氏

【講師ご略歴】

2006年 慶應義塾大学大学院博士課程修了
2006年 日本学術振興会 特別研究員PD
2007年 科学技術振興機構 CREST 博士研究員
2008年 慶應義塾大学理工学部化学科 助教(有期)

【本テーマ関連学協会でのご活動など】

日本化学会 会員
高分子学会 会員
電気化学会 会員


■講座の趣旨

 色素増感太陽電池(DSSC)の高効率化には、電子ベクトルの制御が非常に重要である。なぜなら、電子を損失無く取り出す必要があるためである。色素増感太陽電池における電子移動の素過程への理解を深めるとともに、更なる電子ベクトルの制御手法について考察する。

■プログラム

1.電子をより早く、より多く、より遠くへ ―電子移動のメカニズム―
 1-1.電子移動とは?
 1-2.電子移動の駆動力と電荷分離
 1-3.マーカス理論
 1-4.電荷分離の長寿命化
 1-5.長距離電荷分離

2.色素増感太陽電池における高効率な電子移動
 2-1.酸化チタン中の電子移動
 2-2.酸化チタン/色素界面での電子移動
 2-3.色素分子内での電子移動
 2-4.電解質からの電子移動と拡散

3.色素増感太陽電池の更なる電子ベクトル制御

【質疑応答】